『酒は日本の伝統文化』(2002年10月01日)
実りの秋、食欲の秋、また秋は日本酒にとっても楽しみな季節です。
現在のように寒仕込みが確立されるまでは、貯蔵容器も乏しかったために年間を通して酒造りが行われていました。
春に仕込んだ酒は「春酒」として、そして「夏酒」「秋酒」「冬酒」と四季の酒を楽しんでいましたが、殊に冬酒の品質が優れていることから、冬酒=寒仕込みが通常になってきました。
「秋あがり」「ひやおろし」という言葉にあるように、冬に仕込んだお酒が夏の土用を過ぎ、仲秋の名月を迎える頃には適度に熟成される、秋が深まるにつれ酒の熟度が増す=上がってきます。
その熟成されたお酒を山、海、里の秋の味覚を肴に楽しむ習慣というのは今現在でも広く伝えられており、酒好きにとっては心躍る季節です。
日本の酒造りは、米の収穫後の農閑期を利用し、晩秋冷気漂う時期を見計らって始められる日常生活に密着した極めて合理的且つ誇るべき伝統文化なのです。